1999年11月

1999年11月01日 01:01

■ 99年11月の1枚


199911

なぜでしょう、季節の変わり目が幼い頃と比べていい加減になってきているように思います。だらだらと暑くて秋らしい秋を感じることができません。 ・・・と、言っていたら突然冬が来ちゃいましたね。少し旬を過ぎてしまいましたが、カキとザクロを描きました。ちなみに両方とも食べるのは嫌いです。

「赤い果物の習作」 1999 はがき 不透明水彩


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■ 99年11月のタワゴト

「想像力」という才能がある。大人になると「そういう能力は生まれつき持っている人と持っていない人がいるものだから…」という言い方をして逃げるようになる。想像力が本人の努力で育まれるものだと信じようとしない(お前らの事じゃ)。「どうしてこの人はこれをこういう風に描いたのかしら」と言うくせに、実際にその人がどうしてそれをそういう風に描いたのか考えようとしない。「どうしてこれがこんな色に見えるの」と口にしてしまったなら、それがそんな色に見えるようになるまでそれを見続けろ。

留学記を入力しながら(SONOTAWA→オノの作品集→留学記89-90 でどうぞ)、ふと、自分で無意識に想像力を育む努力をしていた事に気が付いた。「物がない」という状態が、結果的に想像力の増強につながった。アメリカの片田舎で、どれほど「物がない」環境で暮らしていたかは留学記を読んでもらうとして、ま、結論だけ言うと、「こんなに物の豊かな状況で絵を描いてても上達しない」のである。画材屋さんはありません。持っているのは鉛筆と消しゴムだけです。という時、たいていの人は油絵を描こうとしない。だが私は描けるかもしれない、と想像する。鉛筆と消しゴムだけで、どれだけの色が作れるか挑戦してみる。鉛筆と消しゴムだけで、どれだけ筆のストロークに似た表情が出せるか試してみる。鉛筆と消しゴムだけで、私は油絵が描けたのである。そうやって、知らず知らず私は鉛筆と消しゴムのあらゆる使い方を修得していた。

絵画教室で私は「パステルや絵の具はできるだけたくさんの種類を持っていた方がいい」と生徒さんに言っているが、それは「たくさんのパステルや絵の具を持っていない辛さ」を知っているからである。生徒さんには楽をしてほしいからである。あるものを最大限に使って最短距離で「生徒さんが描きたいと思っている絵」を早く完成させてほしいと思っているからである。「苦しんでも辛くても面倒臭くても遠回りをしてもいいから、自分がどこまで描ける人間なのか知りたい」という人にはそう言わないけど。美大受験用の予備校に通っていた頃、溶き油の調合の割合まで教えてくれたのには参った。で、この色とこの色の絵の具、このサイズとこのサイズの筆を揃えなさい、とか書いてあるプリント渡された(笑)。私、別に、間違ったものを買って失敗したって全然構わないんですけど…。それはそれで何とかしていこうって考える事のほうが、上手い絵を描く事より大事だと思うんですけどねえ。

--- な〜んて「思い出しタワゴト」でした。

 



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